看護師は憧れる人も多く人気の職業なのですが、その反面「離職率が高い」という側面があります。毎年多くの新卒看護師が誕生する中、辞めていく人が多いのは何故なのでしょうか。
様々なデータを元に検証していくと現状が見えてくると思いますので、今回は看護師の離職率についてまとめてみました。
看護師の離職率ってどのくらい?
日本看護協会の「2013年病院における看護職員需給状況調査」によると、看護師の離職率は常勤で11.0%、新卒で7.9%となっています。これは、現在看護職員が130万人以上いることを考えると、年間で10万人以上もの人が職場を辞めている計算になります。
年間10万人以上と聞くとかなり膨大な数ですが、何度も転職をする方も多いので、就職先病院での定着率の低さも問題なのではないかと思います。
最も離職率の高い職場は個人病院で、常勤で14.3%、新卒で16.7%となっています。
数値的にはここ数年横ばいで、大都市ほど離職率が高く、大病院ほど数値が低いという傾向にあります。
離職の理由は?
仕事を辞める理由としては、結婚、妊娠出産、勤務時間が長い、超過勤務、子育て、夜勤の負担が大きい、ということが上位を占めています。
ある調査によると、女性の看護職のうち、約6割が既婚者と言われています。その為、家庭の事が最優先になり、出産や子育てのようなライフイベントがあると、どうしても働き方を変えなくてはいけない状況が生まれます。
これは、常勤の方が離職率の高い理由にも通じてくるのですが、常勤の方が辞める方が多いのは、ライフサイクルの変化もありますが、やはり子育ての影響が大きいように感じます。
看護職員実態調査によると、既婚者のうち、約8割は子供がいると言われています。子供がいると、生活の中心は子供になっていくので、常勤の方のようにフルで働くのは難しい状況が生まれてきます。
現在は保育施設がある病院も増えましたが、全体としてはまだまだ少ないので、働くママさんの負担をいかに減らせるかも鍵になってきそうです。
離職率の低い職場は?
全体的に、常勤の場合は公的医療機関(都道府県・市町村系の病院、地方独立行政法人、日本赤十字社等)で離職率が低い傾向にあります。新卒の場合は、企業で働いている方や、日本赤十字社系の病院で働いている方で数値が低いようです。
病院の規模から見てみると、大きい病院ほど離職率が低いというデータが出ています。これは、新卒の看護師ほど著明に数字として現れているので、新人に対する研修や教育制度の充実度が影響しているのではないかと考えられます。
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離職率は看護体制や雇用の条件によっても変わるようで、7対1の看護体制を取っている病院では比較的数値が低く、給料や福利厚生が充実している所も、相対的に離職率が低いです。
病院の離職率を調べるにはどうすればよいのか?
看護職全体の離職率はわかりましたが、実際就職するに気になるのは、各病院単体の離職率だと思います。病院の中には、外部に看護師の離職率を公開している所もあります。ですが、基本的に辞めた人の情報は公開したがらない所が多いので情報としては少ないと思います。
もしみなさんが希望の病院の離職率を知りたいなら、方法としては看護師専用の転職サービスを利用するという方法があります。
転職サービスの中には、病院側とコミュニケーションを取ったり、過去に求人サイトから就職した方とコンタクトを取って内部情報を集めたりしているサービスがあります。集めた情報は求職者の人のサポートに役立ちますので、利用を考えてみるといいと思います。