看護師さんのスキルアップとして注目を集めている認定看護師についてまとめてみました。
認定看護師(Certified Nurse)とは
認定看護師とは特定の看護分野のスペシャリストとして日本看護協会より認定された看護師の事をいいます。特定の看護分野において高度な看護を実践できる看護師へのニーズの高まりと、各団体などが独自にこのような事を実践できる看護師を育成し認定しようとする動きなどから1995年に発足されました。
日本看護協会では
本会認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することが認められた者
と定められており、看護現場におけるケアの広がりと質の向上を目的とされています。
認定看護師の役割
認定看護師には以下の3つの役割があります。
1.実践
特定の看護分野において、個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。
2.指導
特定の看護分野において、看護実践を通して看護者に対し指導を行う。
3.相談
特定の看護分野において、看護者に対しコンサルテーションを行う。
認定看護の分野・種類
2013年現在で、以下の21分野が認められています。
- 救急看護
- 皮膚・排尿ケア
- 摂食・嚥下障害看護
- 集中ケア
- 緩和ケア
- がん性疼痛看護
- がん化学療法看護
- 乳がん看護
- 訪問看護
- 感染管理
- 糖尿病看護
- 不妊看護
- 新生児集中ケア
- 小児救急看護
- 透析看護
- 手術看護
- 認知症看護
- 脳卒中リハビリテーション看護
- がん放射線療法看護
- 慢性呼吸器疾患看護
- 慢性心不全看護
認定看護師の推移
日本看護協会によると認定看護師の数は右肩上がりに増えており、過去10年間で見てみると2012年12月の時点で約10倍に増えている事がわかります。
出典:「認定看護師都道府県別登録者数(日本地図版)」日本看護協会
分野別で見ると皮膚・排泄ケアが1778名と一番多く、次に感染管理1613名、緩和ケア1295名と続きます。一番少ないのが慢性呼吸器疾患看護分野で57名。慢性心不全看護分野で60名となっています。慢性呼吸器疾患看護と慢性心不全看護は制定された年が遅いのでまだ数が少ないと思われます。
都道府県別に見ると東京都が1333名と一番多く、次に神奈川県の854名、大阪府の840名と続きます。一番少ないのは徳島県の62名で、鳥取県63名、宮崎県66名とその後に続きます。
その他認定看護師
上記は日本看護協会が制定している認定看護師なのですが、それ以外にも当サイトが確認しただけで下記のような認定看護師制度があります。(その他認定看護師看護師制度がありましたらご連絡ください。)
- 日本重症心身障害福祉協会:協会認定重症心身障害看護師
- 日本エイズ学会:認定看護師・指導看護師制度
- 日本精神科看護技術協会:精神科認定看護師制度
- 日本運動器看護学会:認定運動器看護師制度
- 日本心血管インターベンション治療学会・日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会合同:インターベンションエキスパートナース(INE)
おわりに
制度は改定される事がありますので認定看護師に興味のある看護師さんは日本看護協会および各団体の最新情報を必ずご確認ください。また、資格の取得を考えている方は認定看護師の資格取得支援のある病院を探してみるといいと思います。