ブランクがあるために仕事復帰に不安を抱えていないでしょうか?
しばらく仕事をしていないと、仕事の仕方を忘れてしまったり医療の進歩に取り残されてしまい苦労することも多いはず。
再び働きたいけど今一歩踏み出せない方。再就職がなかなか上手くいかない方。ちょっと興味があるだけの方など、ブランクのある看護師さんが仕事復帰の際に抑えておくべきポイントをまとめて見ました。
ご参考になればと思います。
就職活動を行う前に抑えておきたいこと
就職活動を行う前にしなければいけないことは、現在の自分の状態を分析し、抱えている不安や悩みに向き合い「絶対就職する!」という強い気持ちを持つことです。そのためには、看護師を取り巻く現状や、自分に向き合うという作業が必要になります。
以下に記載したことを是非参考にしてみてほしいと思います。
ブランクのある看護師を取り巻く現状はどうなのか
慢性的な人手不足と言われる看護業界。ブランクを持っている看護師さんについてはどうなのでしょうか。
厚生労働省としては、まずは働く意欲のある潜在看護師さんを把握しようという動きがあります。資格のある方に都道府県のナースセンターに届け出てをしてもらうことで、潜在看護師の人数を把握しようとしています。
現在はまだ「把握」の段階ですが、ブランクのある看護師さんの力を積極的に活用していこうという方向づけはされています。
自分が何に対して不安を感じているか考えてみる
たぶん今これを読んでいるみなさんは、少なからずブランクからの仕事復帰という事に不安を感じているのではないかと思います。だれしも間が空いてしまえば不安を感じるものですが、ただ漠然と不安を募らせていても何の解決にもなりません。
そこで、そんな時は自分に「私は今何に不安を感じているのだろう?」と聞いてみて欲しいと思います。答えは人それぞれだと思いますが、そのにあなたの「不安の素」は見えてくるはずです。
不安の素が見えてきたらこっちのもので、あとはそれが現実的に解決可能か、解決するためには何が必要かを考えればいいのです。自ずとやるべきことがわかります。
復職した方の体験談・成功事例を見てみよう
実際にブランクを抱えながら復職した方の体験談や成功事例は参考になることが多いです。知り合いにそのような方がいたら話を伺ってみるといいと思いますし、もしいなくても看護師専用のSNSや掲示板などで意見を聞いてみると良いと思います。
その他にも、転職サイトなどではブランクから転職された方の体験談や事例が載ってますので、参考にしてみるとよいでしょう。
仕事を始めるための準備をする
何事も準備をしないで成功を得ること出来ません。復職を成功をさせるためにはそれ相応の準備が必要で、看護師としての技術、知識が不足したままに再就職しても、実際の現場で苦労するのはあなた自身です。
特に、専門的な高度な知識なら仕方ないとは思いますが、採血や注射等の基礎的な部分は最低限出来るよにしておいたほうが良いでしょう。
そこで、ブランクのある方のために技術や知識を補う方法を紹介します。
復職支援を受ける
看護師ワーカーなどの転職サイトでは、ブランクからの復帰を考えている潜在看護師さんのために、復職支援を行なっています。
内容としては、最新の医療知識から採血・一次救命処置に関することなど、ブランクのある看護師さんが抑えておきたいポイントを網羅しておりますので、再就職を考えている人は利用しやすいと思います。
復職研修について、詳しく知りたい方は「ブランクのある看護師が受けておきたい復職支援研修まとめ」をご覧になってみてください。
再就職支援研修を受ける
各都道府県のナースセンターでは、再就職を考えている方を対象に、最近の看護の動向や最新の医療知識、技術などの習得を支援する研修が行われています。多くの研修は無料で受ける事が出来ますが、中には看護職賠償保険加入料、資料代としてお金がかかる場合もあります。
研修にはそれぞれ参加資格が必要な場合があり、保健師・助産師・看護師・准看護師の資格があれば参加出来るものがほとんどです。中には研修を行なっている都道府県で就業希望する方を条件としている場合もあるので、詳細はよくご確認ください。
上記リンクより、「研修・セミナー」として検索すると、看護職就業促進講習会や復職支援研修、看護職員再就業支援研修、未就業ナースのための再就職技術講習会など様々な支援研修を見つける事が出来ます。
アプリ・ウェブサイトを使って勉強する
アプリやウェブサイトの中には、看護師さんにとって役立つものが数多くあります。本を買ったり昔の教科書を引っ張りだして勉強し直すのはハードルが高いですが、アプリやウェブサービスを使うと気軽に勉強することができます。
勉強に役立つアプリは、勉強・学習カテゴリーにまとまっていますので参考にしてみてください。
仕事を探すときのポイント
ブランクのある看護師さんが仕事を探す場合、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか?ただ看護師さんが転職する場合とは違うので、以下の事を参考にしてみて欲しいと思います。
ブランクokの求人を探す
転職サイトを見ていると、たまに「ブランクOK」という求人を目にすることがあります。仕事復帰を考えている方には是非こういう求人を狙って欲しいのですが、これらは他の求人とどんな違いがあるのでしょうか。
ブランクOKの求人は、他の求人とは違い仕事復帰する看護師さんをサポートする体制が整っている場合多いです。中には復職支援研修を行なってくれる病院もあり、ただでさえ不安がいっぱいな再就職にはぴったりだと思います。
プリセプター制度・研修制度が整っている病院を選ぶ
上記のようにブランクOKの求人でなくても、教育制度が充実している病院だったら比較的復職しやすいと思います。
よくあるパターンとして、せっかく苦労して仕事が決まったのに、教育体制が整っていないためにまったく流れについていけず、結果退職に追い込まれるというケースがあります。ただでさえ久々で慣れていない状況なので、教育制度が充実していない病院にポンっと復職するのはかなりハードルが高いと思っていた方が良いです。
仕事を探す時は、コンサルタントと病院側双方どのような教育体制を取っているのかしっかり聞いておく必要があります。
比較的ゆったり仕事ができる職場を選ぶ
過去第一線で働いてた看護師さんや、仕事復帰に意欲を燃やしている方の中には復帰後すぐにバリバリ働きたいと思っている方もいると思います。ですが、いくら過去の経験ややる気があっても、いきなり急性期病棟のような肉体的にも精神的にも大変な職場に行くことはかなりの負担を要します。
仕事に復帰するということは当然生活のリズムは変わりますし、新しい仕事、新しい職場になれる必要もあります。せっかく仕事に復帰してもいきなり負担が増えてしまうとついていけなくなってしまう可能性もあります。
そんな状態を避けるため、まずは慢性期病棟や特別養護老人ホームなど比較的ゆったりと仕事が出来るの職場を選ぶのがいいのではないでしょうか。もし急性期病棟などの職場に戻りたいのであっても、徐々に仕事に慣れていくほうが復職はうまくいきます。
ライフスタイルに合った求人を探す
職場復帰を考えている看護師さんの中には、家庭の事情で仕事だけにすべての力を注げない場合があります。そんな時は、自分が何を1番優先するのか考えてみてください。それは家庭の事かもしれませんし、プライベートな事かもしれません。自分の中で大切なものがわかってくると、自然と復職した時の生活がイメージ出来ます。
現在は小さいお子さんのために院内に保育施設のある病院も多くなって来ましたし、勤務条件についても相談に乗ってくれるところも増えてきています。自分が無理をしないスタイルを見つけてみてください。
仕事を探してみる
上記を読んで求職の準備が出来た方は、まずいくつかの求人サービスを見比べてみましょう。何社か見比べる事で、おのずと自分に合いそうな所が見つかると思います。
以下に当サイトがオススメしている転職サイトを紹介しておきます。
レバウェル看護
レバウェル看護では、「ブランク可」という項目で求人検索できるのと、転職の事例が掲載されていたり、職場の適性診断を受ける事ができます。
求人の特集も多数組まれていますので、再就職を考えている方にはオススメです。
看護師ワーカー
復職支援の所でも少しお話しましたが、看護師ワーカーでは復職を考えている看護師さんのために、無料のサポートを受ける事ができます。
ブランクのある方にとって、医療現場の最新動向を知ることが出来たり、採血等を経験を積めることを大きい一歩だと思いますので、是非ご覧になってみてください。
忘れずにやっておきたいこと
無事に再就職が決まったみなさんは、安堵や期待、不安などが入り混じった状態だと思います。一つの壁を乗り越えたわけですから少しゆっくりしたいかもしれませんが、忘れずにやっておきたいことがあります。
再就職手当、就業手当を受け取ろう
再就職手当
再就職手当は、失業保険の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ありなおかつ一定の要件に該当する場合に支給されます。
詳しくはこちらを御覧ください。
再就職手当支給の対象となるかは各求人サイトにお問い合わせください。
就業手当
就業手当は、失業保険の受給資格がある方が再就職手当の支給対象とならない形態で就業した場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件に該当する場合に支給されます。
まとめ
こんな感じで長々とポイントを上げてみましたが、何よりも復職には「再び仕事に復帰したい!」という強い思いが大切になります。ブランクがあっての復職は簡単ではないですが少しでも参考になればと思います。
引用参考文献
※1:看護職員の潜在化と労働条件:看護師不足解消に向けての論点提案(宮﨑 悟 中田喜文)
http://www.itec.doshisha-u.jp/03_publication/03_policy/08-08-Miyazaki-itecpb.pdf